全く同じ歴史が繰り返されるのではなく各繰り返しごとに少しずつ異なるという考えもあり、その場合は円環構造というよりは螺旋構造と言える。古代インドや古代ギリシャで見られるとされる円環時間の考えは、むしろこのような厳密には少しずつ異なる繰り返しであることが多いようである。
だが「直線的時間vs円環時間」と言った場合は、上記の純粋に幾何学的構造の違いとは別に、異なる歴史観の対比を指すことが多い。すなわち「歴史と共に人類の文明は進歩し続ける」、「歴史と共に人は神の国に近づく」というような見方を表すのが直線的時間であり、「時を経ても社会は同じような形態を繰り返すだけ」、「太陽の下に新しいことは何もない」というような見方を表すのが円環時間である、と表現される。この文脈では螺旋構造の時間は「似たような状態を繰り返しつつも次第に進歩する」または「一進一退を繰り返しつつも次第に進歩する」という見方になる。
SF作品の中には、通常の時間の流れから切り離された部分的な円環時間の中に閉じこめられる、というアイディア(ループもの)が登場するものがある。
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左 完全なループに沿った波
右 らせん状に変化する波
(左を縦に引き延ばしたものともいえる)
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